映画『アントマン&ワスプ』感想 脇役の面白さが光るコメディー
『アントマン&ワスプ』を観てきた感想です。
ほとんどネタバレしないで書いてみました。
画像引用元:アントマン&ワスプ : 作品情報 - 映画.com
公式HP:
観たいと思った理由
『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー 』公開後初のMCU作品
最早マーベル・シネマティック・ユニバース(以下、MCU)は連ドラみたいなもんなんで、続きが気になるということなんですけど、今回は単にそういう訳にあらず。
作中の時系列的にはインフィニティー・ウォー(以下、IW)とほぼ同時期ということで、なぜアントマンはIWに出演がなかったか、そしてIWの衝撃的なラストからMCUの世界で、どう物語が展開するのかが気になって仕方ない、という最大のワクワクが今作にかける私の期待でした。
公式もこんなの作ってるし。
鑑賞した劇場
TOHOシネマズ上野
スクリーン7(全235席:席数3番目、スクリーンサイズ2番目)
9月1日の土曜日14:15の回で観ました。公開日の翌日ですね。
3番目の席数で235って少ないよなぁ。上野は最大スクリーンでも333席だし、旗艦劇場の日比谷の最大スクリーンも456だから、都内で500席以上って丸の内と新宿のピカデリーしかないのかも。(特に調べてはいない)
客入り
235席が満席でした。
公開日翌日、土曜、ファーストデイだったのでかなり条件が良い上、マーベル作品なので満席必至なのは当然ですね。興業側も一安心といったところでしょうか。
概ね幅広い層でしたが、シニア層はいなかったかなぁ。
あらすじ
頼りなさすぎるヒーロー<アントマン>と、完璧すぎるヒロイン<ワスプ>──ふたりの前に、すべてをすり抜ける神出鬼没の謎の美女<ゴースト>が現れ、アントマン誕生の鍵を握る研究所が狙われる。敵の手に渡れば、世界のサイズが自在に操られてしまう!? さらに、金目当ての武器ディーラーの襲撃や、アントマンを監視するFBIの追跡も巻き込み、人や車、ビルなど全てのサイズが変幻自在に変わる“何でもアリ”の大騒動に! ユニークなパワーと微妙なチームワークで、アントマンとワスプは世界を脅かす“秘密”を守り切れるのか?
(引用元:作品情報|アントマン&ワスプ|マーベル公式)
予告編
感想(ネタバレなし)
今作も楽しいコメディシーン
セリフまわしが楽しい
前作同様、コメディ路線で笑えるシーンが多かったです。
以下でいくつか紹介しますが、セリフまわしでの面白さは本作の一つの特徴ですね。
私が見た回では、自分以外もところどころ笑い声が聞こえてきていました。こういうのがあるとやっぱり、劇場で観るのが楽しいです。
きっと良い友達になれそうなFBI捜査官ウー
おもしろ的にはイチオシなキャラが、FBI捜査官ウーです。
この人の出てくるシーンは、基本的に話の本筋に全く関係ないけどおかしくて大好きでした。
大人の事情がわからない子供にする説明を、全く内容を噛み砕かず言いくるめてしまい、子供は絶句というところとか、
主役のアントマンことスコット・ラングとの最後の会話での、お互いちょっと気があるかもしれないけど、それを悟られたくない感じのおかしさには声をあげてしまいました。
「おっ、おぅ何だよ」みたいなちょっかい出しの感じなんだけど、文章で表現する術を持たない自分が歯痒いですw
このウーさん、今後のシリーズでもちょいちょい出てきてほしいなー。
もっと見たいよ、マイケル・ペーニャ
そしてアントマンシリーズのおもしろ担当第一人者と言えば、この方ルイスことマイケル・ペーニャ!
本作も、彼が社長を務める会社のオフィスでのしょうもない会話が脱線し続けるシーンとかおかしくて良かったですねー。
あと、今回はアクションシーンでの見せ場が増えてるのもペーニャファンとしては嬉しいところ。終盤、彼がある車を運転するくだりは、彼のテンションの上がり方も相まって楽しかったです。
ただ、惜しむらくは、説明過多で本題になかなか入らないギャグをもっと見たかったですね。これも前作ではかなりの魅力だったんで結構楽しみにしてました。
エマージェンシー(緊急)って表示されてんだろ!
あと良かったのは、主人公グループが捉えられてしまう場面。
敵がシリアスな話をしてる最中、雰囲気ぶち壊しの着信が鳴り響く上に、緊急だからと出てみれば内容は・・・
まさに緊張と緩和による笑いのメソッドそのものです。
ポール・ラッドの女演技
とあるシーンで女が乗り移ったスコットの振る舞いもおかしくて良かった!
メインのお話の方は・・・(ここからややネタバレあり)
救出作戦とラボの奪い合いと
今回お話の方向性は2軸あります。
・ピム博士の妻であり、ホープの母親を量子世界から救出する話
・ラボをめぐる、アントマン&ワスプチーム、ゴースト、またはバーチによる三つ巴の奪い合いの話
ミッション遂行もののパターン
まず救出作戦についてですが、こうしたミッション遂行ものの場合、大まかに以下のような展開が考えられます。
1:ミッション自体が限りなく無理な事だが、試行錯誤したことで解決策を見出す。
→試行錯誤のプロセスを描く事が見せ場になる。
(イミテーション・ゲームとかのアプローチ)
2:ミッションは理論的には可能だが、想定外の出来事が発生した事で状況が一変する。
→状況変化によって成功するかどうかがわからず、サスペンスを生む。想定外の出来事への対処を含めたミッション遂行自体が見せ場になる。
(オーシャンズシリーズとかのアプローチ)
3:1と2の合わせ技。無理なミッションを試行錯誤して解決法を見つけたけど、さらに想定外の出来事が起きる。
(ミッション:インポッシブルとかのアプローチ)
今作では、理論上可能な救出作戦を行うための設備でもあるラボが奪われてしまうため、2のアプローチとなっています。
そして今回の想定外の出来事が、奪われたラボを取り返す三つ巴展開で、これがお話の方向性の2つ目になります。
三つ巴が面白くない
上記で説明した通り、本作の見せ場は三つ巴の展開に集約されていく事になります。
ということは、この展開が面白いかどうかが作品の印象を大きく左右しそうなところですが、個人的にはあまり面白いと思えませんでした。
理由としてはまず、パワーバランスが拮抗してない(ように見えてしまう)ことが挙げられると思います。
バーチ率いる闇ディーラー軍団が全く強そうじゃないんですよね。
そもそも、初登場のところからワスプ一人にしてやられてますから、終始かませ犬にしか見えないのが残念ですね。
あとは、三つ巴の決着の付け方がイマイチだなぁというのも面白さを感じなかった一因です。
三つ巴の残る一角のゴーストは特殊能力もあるし強いです。主人公チームに対して不足なしなんで文句なしなんですが、倒し方に納得感が薄い。あんな厄介な特殊能力に対して、それをやり込める一工夫があった方が盛り上がって良かったんじゃないかなと感じてしまいました。
結果として救出作戦というミッションに対する障害の乗り越え方がイマイチなせいで、トントン拍子で事が進みそうに思えてしまい、盛り上がりに欠けていた気がします。
ポストクレジットシーン(ここも微ネタバレ)
マーベル映画おなじみのエンドクレジット後のオマケシーンですが、今回は「えっ!」となってしまう映像でした。あれどうすんだよ!
うーん、やはり続きが気になるMCU。
それとこれまた恒例の"will return"で初めて?がついてましたね。
最後に
物語としてはイマイチなところはありましたが、コメディーシーンなどは楽しい作品でした。あと、家族の描写とかも良くて、スコットが普通に良いパパだったのが心温まりました。ああやって子供と遊べるお父さんって素敵。
あとは、ミシェル・ファイファーが直前に見た『マザー!』とは180度違う役柄だったにも関わらず、『マザー!』の役の方がチラついてしまったのもいい思い出w
本日はこれまで。
それではみなさんご機嫌よう。
こんな記事も書いてます。
こちらはミシェル・ファイファーも最低な役で出てました。