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ドラマ『六龍が飛ぶ』感想 愛さずにはいられないキャラたちの楽しくも切ないファミリー興亡史

『六龍が飛ぶ』という韓国ドラマの感想です。

今回は映画じゃないんですけど、心を鷲掴みにされてしまったので、その魅力について書いてみます。

 

 

あらすじ

高麗後期の14世紀。辺境の咸州(ハムジュ)に暮らすイ・バンウォンは、百戦百勝の名将である父イ・ソンゲのような強い男になることを夢見ていた。ところがある日、初めて都を訪れたバンウォンは、尊敬する父が悪徳官僚イ・インギョムの圧力に屈した姿を見て絶望する。そんな中、成均館の官吏チョン・ドジョンはイ・インギョム率いる都堂*(トダン)三人衆の企みを暴き、明との戦を阻止。その姿に感銘を受けたバンウォンは、都に残って成均館に入学する。時は流れ、6年後――。<新たな国を建設する>というチョン・ドジョンの志を知ったバンウォンは彼を探し始め、腐敗した高麗を終わらせるべく武術を極めたタンセ、重税に苦しむ村人を救いたいと願うプニ、立身出世を目指す剣客ムヒュルと出会う。彼らはチョン・ドジョンの暗号と運命に導かれ、イ・ソンゲのいる咸州に集結。やがて6人の勇者たちは、都堂三人衆を倒して新国家を築くという目標に向かって一つになるが…。

*都堂…高麗後期の最高政務機関 

(引用元:「六龍が飛ぶ」DVDオフィシャルサイト|ポニーキャニオン

 

予告編

 

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魅力その1:大河ドラマ×アクション

大河ドラマならではの長大で骨太な脚本

日本の時代劇で大河ドラマってあるじゃないですか、あれの韓国版だと思っていただくのが理解が早いです。

各回1時間で全50話あるので、50時間分たっぷり使って旧国家の腐敗と滅亡から新国家の成立と平定までを、濃密な脚本で描いているので見応えがあります。

 

香港映画を彷彿とさせるワイヤーアクション

剣士が戦うシーンの殺陣がカッコいいです。特に香港映画ばりにワイヤーアクションを多用しているのが特徴的ですが、これが楽しいんですよ。この殺陣のシーンが重厚長大なストーリー展開のなかにあることで、視覚的にわかりやすく楽しませてくれる役割も果たしていると思います。毎話あるわけではないので、戦闘が始まると期待でワクワクしていました。

イ・バンジとキル・テミの戦いはベスト・バウトだと思います。

 

魅力その2:愛すべきキャラクターたち

タイトルの「六龍」は新国家樹立の立役者である6人の英雄を指していますが、この6人のメインキャストのみならず、ヨニさんやカップンなど周囲を取り巻く人々も非常に魅力的に描かれています。

回を重ねるごとにどんどん愛着が湧き、好きになってしまうキャラクターの造形も本作の魅力と言えると思います。

 

魅力その3:要素の異なるストーリー

全50話と長い話なので、様々な要素を含むストーリーが展開されていくのも、最後まで楽しく見れる魅力です。ざっと挙げると、こんな感じです。

暗号解読ミステリー

六龍が集結するまでの顛末を、散りばめられた暗号の謎解きに沿って見せていきます。

政治策略もの

既存の権力VS新興勢力の知略・計略のオンパレード。根回し合戦が楽しめます。

それまで圧倒的に優位に立っていた側が、ガラッと立場が入れ替わってしまう様などは特に見応えがあります。

ファミリー興亡史もの

ゴッドファーザーがその最たる例だと思いますが、血縁以上の結束により結ばれた一つのチーム=ファミリーの栄枯盛衰を描いたジャンルをファミリー興亡史ものと呼んでいます。

本作も一つの目的のため団結していた者たちが、次第にそれぞれの思惑が交錯し始め、悲劇的な結末に向かっていってしまうという、まさにファミリー興亡史ものそのものの展開が待っています。

この頃には完全に各キャラクターに愛着がありまくる状態ですので、

「このチーム最強、マジ世界変えれるZE!」

とかアホ丸出しで思ってるわけですよ。

それが疑心暗鬼による仲間割れとかで最強チームが綻んで行く様とかはもう見ていられない。

「あ〜、待て待てそっちに行くんじゃないよ、そうなってほしくなーい」「でもファミリー興亡史ものとして超おもしろ〜い」と、ひとり悶絶しながら見ていました。これまたアホ丸出しで。

このあたりはもう作品の出来として最高なんですけど、ひたすら悲しいというね。

ここまで書いて気がついたけど、もはやアベンジャーズも『シビル・ウォー』以降はファミリー興亡史ものの系譜にいるのか。

 

歴史を知らないで見てたから、チョン・ドジョンとイ・バンウォンの師弟関係とかもう、いろいろ手に付かないくらい放心しました。

ラブロマンス

バンウォンとプニ、バンジとヨニさんの2組の恋模様がそれはもうラブでロマンスですって感じ。

結構大仰な音楽とか鳴るんですけど、普段なら興醒めして引いちゃうところなんですけど、先述の通り愛着ありまくりの状態のこちらとしては「いいぞいいぞ、やれやれー!」な感じでまったく気にならないどころか、非常に気分を上げてくれるという。

でもねーどちらも悲恋なんですよね。特にバンジとヨニさん!これは泣いたよ、それはもう、心の中でどっさりと。その原因を作ったあいつをどうにかしてこの物語の歴史から抹消できないか、小一時間ほど考えましたよ。

 

最後に

これだけ長く続くTVシリーズきちんと見れたの初めてなんですけど、まぁどハマりしましたね。

忠告があるとすれば、初めの2話は引きが弱くあまり面白くないので、そこだけ我慢して見てください。3話くらいからはどんどん、次の話が気になるような展開になっていったと記憶しています。

レンタル以外では、7月まではdTVで見れたんですが、 今はU-NEXTで見れるみたいですね。

 

本日はこれまで。 

それではみなさんご機嫌よう。

 

 

 

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